税調の基礎調査終了!いよいよ新制度の税制が決まるのか?
2007年8月20日

非営利法人総合研究所(NPO総研)
主席研究員 福島 達也

 

政府税制調査会は3日、調査分析会を開き、国と地方の税源問題などを議論し、基礎的な調査を終了した。
今秋から平成20年度税制改正に向け具体的な議論に入るわけだが、消費税を含む抜本改革の検討などはまだ不透明であり、政治情勢の行方を見ながら慎重に進めていくことになるであろう。
また、香西会長は記者会見で、公益法人の税制については「公益法人のあり方なども情報を集め、効率的に議論していきたい」と述べたが、具体的な進め方は明らかにしなかった。

そんな中、公益法人協会では、公益法人税制について「新たな公益法人制度に関する課税及び寄付金税制等についての要望書」をまとめ、財務省と内閣官房に提出した。
内容としては、公益認定を受けた法人には法人税を課さないことの継続や、これらの公益法人の公益目的事業は税法上の収益事業に該当しても課税対象から除外することを求めている。
確かに、現行では、公益目的であっても税法上の収益事業には課税されているのだが、もともと主務官庁に「公益事業を行う上で必要な事業だ」として許可されている事業なのだから、その事業に税金をかけて、目減りさせなくてもよいはずである。
ただ、公益とは関係なく、まったく収益だけを目的にしているのであれば、通常の会社と同じ税率をかけてもよいはずだろうから、そのあたりの必要不可欠な事業かどうかの見極めが必要となりそうである。大変難しい問題だ。

さらに、寄付金税制については、個人が行う寄付金控除手続きの年末調整制度や、相続財産の寄付に関しても非課税にするよう、現行制度の見直しを盛り込んでいる。
寄付金については、特定公益増進法人並みの寄付優遇税制が予想されているが、個人と法人の寄付の違いや相続税などの扱いも非常に気になるところである。

いずれにせよ、議論は秋から年末までだ。政界の動きが大変心配な状況だが、新しい公益法人の税制については、以前の議論を生かし、きちんと対処してもらいたいと願う。




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